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ゼクリアナ

11人が参加
アウトロー

# Prologue
2019年、東京のとある地下街。ここにはある暗殺組織があった。一般市民には知られていない。しかし、政府からは黙認されている。なぜなら、依頼を受けた殺ししかしないから。日本政府やその他多数の組織がここに依頼している。構成員は5人。平和な日本で人に対する倫理観のタカが外れたやつら。しかし、彼らには彼らの信念と正義があって、人を殺める道を選んだ。その組織の名はゼクリアナ----
# France編

2019年7月。パリのシャンゼリゼ通りでは繰り返す暴動により、政府機能は困憊していた。対応に困ったEUはフランス政府に対して、事態の収拾を図るよう要請した。
フランス政府から密命を受けた在日本フランス大使館は男を地下街G地区に派遣した。

***
おれはミシマという名で呼ばれている。ゼクリアナの5番目のメンバーだ。まだゼクリアナの他のメンバーに比べれば日は浅い。ゼクリアナにはいくつかルールがある。それは、

1. 依頼以外の殺しはしない
2. 政府機関以外からの依頼は受けない
3. 暗殺には必ずターゲットに近づいてから行う

おれたちはこのルールを厳格に守っている。依頼が正義かどうかなんて関係ない。顧客第一ってのはどうも日本人の性らしい。
おれたちは汚れきっている。しかし、これしかできない人間たちなんだ。だから、おれたちは依頼以外で滅多に地上には出ない。地下街はこの国のはみ出しものや海外マフィアの巣窟となっている。だが、きちんとルールがある。地上との出入り口は3つだけ。東京駅の表向きは職員専用扉となっている部屋、渋谷道玄坂にあるビルの地下駐車場、そして、日比谷公園近くにある飲食店の地下。おれたちは東京駅に近いG地区に事務所を構えている。
おれがオフィス・ゼクリアナに戻るとすぐにボスの大江に呼び出された。どうやら依頼が入ったらしい。ボスの部屋に入るとおれより少し早くにゼクリアナに入った唯一の女性メンバーのマチがいた。マチとおれは大江の前に立った。
「依頼が入った。顧客はフランス政府だ。そこにいるフランス大使館から派遣されたポールという男に詳しくは話してもらう」
「ボンジュール。私はフランス大使館職員のポールだ。今回がゼクリアナを利用するのは初めてなんだ。とりあえず依頼に至った事情から話そう」
フランスは現在大規模な暴動に苦しんでいる。最初はフランス政府高官の汚職に対する抗議だった。だが、次第に暴動となり、フランスのEU離脱・東欧や中東からの移民排斥・共和制廃止・大統領退任へと要求が拡大されてきた。そして、既得損益への過剰な反感からフランスや海外の有名企業のトップが襲撃されるという事件が多発するようになった。そして、その暴動を先導しているのがフランス救世主革命新党という組織のリーダーであるルイーズという女だった。ルイーズは現代のジャンヌダルクと民衆にもてはやされているらしい。
「ちっ、何がジャンヌダルクだよ。ジャンヌダルクは体制を守ろうとした側の人間じゃねーか」
おれは思わず口走ってしまった。ポールは同感だ、というような顔をして、話を続けた。
「しかし、彼女のカリスマ性は偉大です。このまま行くとフランスは崩壊してしまう。そこで我々は糞ルイーズの暗殺をゼクリアナさんにお願いに来たんだ」
おれは革命という言葉が嫌いだった。その革命の過程でどれほどの犠牲が出るかは身をもって知っていた。世の中にはこのままの世界で生きていきたいっていう人々の存在を忘れないでほしい。たとえ満足ではなくとも混乱なく、たとえ独裁体制でも生きるのに困るわけではない。革命の名の下にどれほどの悲劇が繰り返されてきたのだろうか?東欧革命やアラブの春然りだ。だから、おれは善悪以前に世界の現体制を守る汚れた仕事に就いたのだ。
ボスが口を開いた。
「今回はミシマとマチにフランスまで行って、この任務を遂行してもらう。まずはフランス救世主革命新党のメンバーとして潜入しろ」
おれたちはターゲットとの信頼関係の構築から始める。その方が確実に任務を遂行できるからだ。もし失敗したら顧客の不利益を招く。ただ今回は。
「おれたちは日本人だ。どうやってフランスの団体に潜入できるんだ?」
「お前は潜入しなくてもいい。運動を支援する日本企業の特派員として組織と関われ。組織に潜入するのはマチだ」
「一体どうやって?」
「マチは顔を変えられるんだ。整形をいくら受けても大丈夫な特異体質だ」
おれたちはお互いのプライベートには干渉しない。だから何か訳があっても知らないふりをしていた。それがこの世界で生きるための絶対条件だ。しかし、これには驚いた。
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