伸ばされた手の先で

5人が参加
なんでもあり

スルガはその左手を握りしめた。手の平の中の杖がギシリと悲鳴を上げる。
 奴だけは許してはいけない。アオイは自分の前で息絶えた。最期まで自分を思い遣るように、酷い苦痛だっただろうに、その顔に笑顔を浮かべながら。
 どうしてアオイがこんな目に遭わなければならなかったのか。
 深く息を吐く。
 ――冷静に、ならなければなるまい。
衝動に身を任せてはいけない。
時を待てば良いのだ。そう焦るものではない。

だが、少し考えたあと一つ結論を出した。待つなど到底無理だ。決行するなら今だ。
そう思い、奴を追おうと振り返ると。
「あら、随分気が早いのね」
 美女が待ち構えていたかのように微笑んでいた。
そこで僕は天性のコミュ障を発揮してしまった。
ブックマーク: 2
5%

***ログインして続きを書いてね!***
ログイン