星空。

4人が参加

人口密度の高い都市部から何もない田舎に引っ越した僕。生活が一気に不便になり絶望し、空を仰いだ時に目に映ったのは、この世のものとは思えない美しさを持つ星空だった。
何も無く周りに光がないからこそ堪能出来る絶景。光り輝く美しさで夜空を彩る満天の星々に心が震えた。
それはもしかしたら、あの日都市で見ていた空と同じだったのかもしれない。
だとしてもこの空は暗く美しく、僕に強い衝撃を与えた。これが…これが自然なのか、と。田舎を不便と思う感情なんて一瞬にして消え去った。
その日からというもの僕はいろいろなところへ出かけていくようになった。
新品さながらの自転車を漕いで、田んぼの畦道を。
数本しか日に走らないバスを乗り継ぎ、山奥へ。
気がつくと日が沈みかけていた。木々の隙間から差し込む日差しもすっかり弱くなった。都市部にいた頃は様々な音がして賑やかだったが、こちらはとても静かだ。だが全く寂しさを感じさせず、静かな中にも微かに聞こえる虫の合唱が僕を包み込む。引越し当初はそんな環境に戸惑っていたが、今はすっかり慣れ、いつしか田舎が好きな理由の1つになっていた。
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